こんにちは、ふみ丸です!
15年以上オタクをしてきましたが、やはり京都アニメーションの作品は本っっっっっ当に面白いですよね!よく言われる通り絵が綺麗というのは当然あるのですが、何より音楽や回想などを上手く組み合わせた演出や、細かい仕草から滲み出る心理描写などを含めた表現力の高さが段違いです。
今回は京都アニメーション作品の中でもトップレベルで大好きな『響け!ユーフォニアム』のここが好き!というシーンを3つピックアップしてみました!
この作品本当に好きで、一時期舞台となっている京都府宇治市に2ヶ月位滞在してたこともあります。毎日聖地巡礼できるし、アニメの中の風景と同じ過ぎてまるでアニメのモブの一人としてそこに存在しているかのような感覚が味わえました笑
さて、前置きはそこまでにして、今回ピックアップしたシーンはこちらになります!
✔ 「ソロパートのオーディション、もう一度やらせてください」
✔ あすか先輩がはじめて見せる心からの笑顔、夕日指す河原での演奏
✔ 久美子の心からの想い「先輩のユーフォが聴きたいんです!!」
「ソロパートのオーディション、もう一度やらせてください」
アニメ第1期の後半、トランペットのソロパートに1年の麗奈が選ばれて北宇治高校吹奏楽部は混乱。一部の上級生がなかなかそれを受け入れられない中、麗奈と顧問の滝先生が知り合いだったことが発覚。滝先生が麗奈を贔屓して選んだんではないかという噂が流れて部内がさらに混乱していた時、滝先生が再オーディションを提案をします。
その時、本当は高校生活最後のコンクールでソロパートを吹きたいけれど、控えめな性格からなかなかそれを言い出せなかった3年生の香織先輩が再オーディションを希望する、そんなシーンです。
そう、いつもは控えめな香織先輩が、本当の思いや意思をはっきり示すシーンだからこそ、心打たれたのかなーと思っています!僕はそういった胸に秘めた熱い思いが爆発するシーンが個人的にめっちゃ好きです笑
このシーンの演出、カメラワークもめっちゃ好きです。滝先生が再オーディションの話をする。驚きながらもはっきりとは目を映さない。そしていざ再オーディションの希望者を募ったタイミングで、スローモーションで香織先輩が立ち上がり、手先から顔をカメラがすっと移る演出もめっちゃ好きです。見せ方としてすごく惹かれますよね。スローだと、ここが大事なシーンなんだとすっと頭に入ってきますね。このシーンで一気にこの作品にハマって行きました。
あとここで香織先輩が自分で異議申し立てして再オーディションが行われたわけではない、という話の流れもうまいですよね。例えば、香織先輩が3年生ということを立てに文句行ってきたり、「どうしてもソロやりたいんです!」って先生や麗奈に直談判してもこのシーンはここまで良いものにならなかったと思います。
香織先輩は去年実力では上級生以上だったにも関わらず、年功序列制度のせいで吹けなかった。だからこそ今年は絶対吹きたかったのに、今年から実力で選ばれることになった上、とびきり上手い1年の麗奈が入ってきた。本当は吹きたいけど、控えめな性格で言い出せない、そもそも去年自分も年功序列のせいで悔しい思いをしたからこそ、同じ理由で上手い下級生を押しのけてまで吹くことなんてできない。きっとそういう優しい葛藤もあったのではないかと思います。(そう考えると香織先輩本当にいい子ですね)
香織先輩というキャラクターの軸や魅力を壊さないようにしつつ、それでも「絶対吹きたい」という熱い思いを引き出す装置が、滝先生と麗奈が知り合いだったという設定とデカリボン(後輩のトランペット奏者)という存在なのだと思います。
もしかして知り合いだったから贔屓したのでは?本当なら香織先輩は吹くべきなのに!と声を大にしていってくれる存在がいたからこそ、再オーディション開催まで至った。そこで香織先輩が胸に秘めていた熱い思いが溢れ出る。繰り返しますが、香織先輩というオタクも大好きな控えめで清楚な女の子が、外部の力で整えられた舞台で思いを爆発させるからこそ、見ている方も納得感あるし違和感なくそのシーンを受け入れられ、最高に胸打たれるシーンになっているなーと思いました。
あすか先輩がはじめて見せる心からの笑顔、夕日指す河原での演奏
2期の後半、久美子があすか先輩の家にお呼ばれして、あすか先輩がなぜ全国にこだわっていたかを知る。そして元父親から送られた曲を河原で演奏する、というシーンですね。
ここの何がいいって、あすか先輩の作り物じゃない素直な笑顔が胸を打つんですよね。いつも飄々として何でもできて、でも少し影があって…いいこと言って周りを先導しながらどこかで壁を作って本心を見せない複雑なキャラクターが、心の壁を取っ払った、本心をそのまま表した純粋な笑顔を見せてくれた!というところに感動したのかなーなんて思っています。
そしてその純粋なあすか先輩の笑顔を引き出したのも、久美子の純粋な気持ちだったのかなと思います。直前のやり取りを改めて見てみましょう。
あすか「本当に(演奏)聴きたいと思ってる?」←伏し目がち、内心不安なあすか
久美子「はい!」←純粋な笑顔
あすか「ふふ、黄前ちゃんは本当、ユーフォっぽいね」←安心、お世辞じゃないとわかる
ここの一瞬のシーンに、「もしかしておべっかで、自分の演奏聴きたいと言ってるんじゃ」というあすか先輩の不安と、そんなわけないじゃんと言わんばかりの久美子の純粋な表情をみて、安心して、あるいはちょっと疑ったこと自体馬鹿らしくなって笑ってしまった、という心の移り変わりが非常に上手く表現されている気がします。
こういう細かい心情の移り変わりを目線や眉毛、小さい動作で表現できてるのは本当に芸術的、まさに表現力というべきもので、さすが京都アニメーションだなぁと感動しました。
その現場が、特になにもない地元の河原っていうところもいいですよね。こじつけかもですが、飾らない素直な心のやり取りをする現場として、飾り気のないありふれた河原、というのはぴったりな気がします。そこに差し込む夕日とそよ風…まさに青春の大事な1ページ。なんでこんなエモいシーンになってるんですかね、誰か分かる人いたら教えて下さい笑
ちなみに全然関係ないですが、この河原の聖地、京阪宇治駅から土手沿いに15分くらい歩いた所にあり、アニメのシーンのまんまの光景が広がっています。さらにどうでもいい話ですが、僕が一時期宇治に滞在していた期間の、京都アニメーションの採用試験に落ちた日、ここの河原で一人たそがれてました笑
そんな個人的にも思い入れの強いシーン、場所になってます。いつかここで「響け!ユーフォニアム」を演奏するのが夢のひとつです笑
久美子の心からの想い「先輩のユーフォが聴きたいんです!!」
さぁ来ました、恐らく本作品で最大級の見せ場!2期の後半、全国コンクールに出場しないというあすか先輩を校舎裏で必死に説得するシーンですね。
誇張なしでこのシーンは100回以上繰り返し見てます、好きすぎて。一時期ここだけ繰り返し見てました。まさに神回、鬼滅でいう19話ヒノカミ神楽、円舞の回みたいなノリですよね。
最初はみんなが言ってるーとか、自分以外の誰かの思いという不確かな話で説得しようとしてた。それはあすか先輩にもバレバレで、全然刺さらない。あすか先輩が出ないという選択が、部にとってもコンクールにとっても正しい選択なんだと言ってさろうとした時、久美子の心からの思いが爆発するわけですよね!
「先輩は正しいです。部のことも、コンクールのことも全部正しい。でもそんなのはどうでもいいんです!あすか先輩と本番に出たい、私が出たいんです!!」
正しさなんてどうでもいい、私がそう思う、それが全てなんだ!!という思い切りの良さと溢れる情熱。これにもう苦しいほど胸を打たれましたね笑
こうした方が得、正しい、そういわれている道は僕らの周りの人生でもたくさんある。けど本当の思いはそうじゃない、そういうことは往々にしてある。大人だって正しさとやりたいことの間で揺れ動いて悩んでるのに、ただの高校生であるあすか先輩が大人ぶってわかったふりして本当の気持ちを抑え込むなんて馬鹿げてる!!ってことを久美子は代弁してくれてるんですよね。本当、そのとおり過ぎて…笑
このシーンの前に、やりたい気持ちを抑え込んで、正しいと言われる道を選んで後悔したお姉さんのエピソードが挿入されてます。そこでのお姉さんの「まぁあんたも、後悔のないようにしなさいよ」というセリフが、まさにここで効いてくるわけです。上手い!!
「先輩だってただの高校生なのに!こんなののどこがベストなんですか!」
このセリフがもう個人的に刺さりすぎました。演出、音楽、久美子の演技、このシーンの底に流れる正しさよりも情熱を優先せよという熱い思い、全てが合わさって最高のシーンになっていますよね。
色々言いましたが、本当に心は「あぁ、尊い…」の一言に尽きますね
さていかがだったでしょうか。響けユーフォニアム、本当に良い作品なので、これ読んで懐かしくなったかたはぜひもう一度観てみてください!
聖地をまとめた動画を個人的に出しているんで、こちらも良ければ観てみてください笑
それでは今回はここまで!ありがとうございました!!